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2010 年 3 月 25 日 のアーカイブ

3月25日 続きだとう。お前なんば書いとうとやあ。


うら若き職人 流し溶接 2010.3.25




胸のざわつきを抑えるためにも俺は布団を出る。ブルゾンを着込むと我が家の愛車に乗り込む。妹の電話によると親父の車もないとの事。車で出て行ったきり帰ってないのだ。過去経験がない。親父が真夜中に車で出掛けるなど。不吉な思いがよぎる。頭を横に振ると暖房のスイッチを入れる。だがしばらくは冷たい風が体を包む。親父の家までは車で約30分程度。震える体のまま構わずアクセルを踏む。捜した。思いつく箇所を捜した。真夜中だ。車通りは少ない。親父は酒は飲まない。いや飲めない。趣味は毎日のパチンコ屋通い。そしてたまにゴルフをする程度。親父の通うパチンコ屋は妹から電話で聞いていた。先ずはそこへ向う。既に閉店。店舗には明りは灯っておらず暗闇と静けさがだけが支配している。駐車場に車を止めわざわざ外へ出、歩き回る。誰もいない。車さえない。車に乗り込む。次は以前通っていた近くのパチンコ屋まで。着いた。車降りる。歩き回る。いない。街灯のみの薄暗い駐車場を方々歩く。車はない。人もいない。車へ戻る。ふと頭を巡る。飯屋だ。今日はお袋はいないため一人食事に出かけた可能性は十分にある。食堂だ。車のアクセルを踏み発進。捜した。思いつくところは方々捜した。24時間営業の店。親父の自宅の近くの店。そしてコンビニも。目的地に着くと駐車場から出ると寒さに震えながらもわざわざ歩き回る。営業中の店は外からそして中に入り眺める。不審に思われても仕方がない。見渡す。だがいない。どこにもいない。親父の車さえどこにもないのだ。微かな望み。携帯を手に取ると妹に掛ける。「帰って来たか。」「いや。帰って来んよ。」一呼吸置く。「会社は?」妹の問いかけに。「分かった。行ってみる。」会社へ向う。到着したがさすがに事務所は真っ暗だ。階段を上り事務所の鍵を開ける。明りのスイッチを入れる。誰もいない。いるはずもない。誰もいない空間に身を置き椅子に座る。溜息をつく。しばらくそのまま。椅子に座ったまま身動きせずそのまま。もしかしたら。事務所を出る。やはり寒かった。その記憶だけは忘れていない。寒い夜だった。街灯を頼りに斜め前の工場へ向う。やはり真っ暗だ。鍵を開け中へ入る。水銀灯の明りは周りが見え出すまでしばらく掛かる。見えだした。次第にはっきりする。職人等が手掛けている完成途中の製缶物。旋盤のチャックに掛けられたままの削り物。誰もいるはずもない工場内を歩き回る。水銀灯を消す。工場を後にする。横の駐車場。しばらく眺める。見つめる。誰もいない。何台かの車。いずれも親父の車ではない。いやいないはずだった。親父の車はそこにはないはずだった。俺は眺めたつもりだった。俺はしっかりと自分の眼で見つめ捜したつもりだったのだ。俺は天を仰ぎしばらくその場を動かない。身震いをし寒さに気がつくと事務所の駐車場に止めている車へ向った。運転席の扉を開け乗り込んだ。車の時計を見る。さすがに眠い。だが。。。




それでは又です。


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