5月25日 職人働くビデオとあいつの私事の続きですばい。
さあ削れ削れっつ!!
第4話。
走り始めた車中では目をこすりながらの運転だ。結局一睡もできなったが眠る訳にはいかない。捜さなくてはならない。なるべく早目に探し出さねば。年齢は高齢だ。今だ毎日怒鳴る元気があるとは言えこの時期の寒さはさすがに年配の体には応えるはずだ。一刻一刻の時の刻みは体を蝕み猶予などないはずだ。既に日は明けようとしている。沁み入る寒さに果たして高齢者が一晩何事もなく越せるかどうか。心配と言う胸騒ぎは大きくなる一方だ。とにかく捜さねば。その一心で真正面を睨みフロントガラス越しに眺める左右の瞳の動きは素早い。
先ずは親父が住む実家の周りを車を巡らす。昨日訪れたのではあるが見落とした可能性は考えられる。コンビニ。パチンコ屋そして飯屋、食堂。思い当たる場所は片っ端から車を乗り付け先ずは駐車場だ。方々を見渡す。車を降り駐車場の隅々を丹念に捜す。開店しているのであれば外から眺め誰かいれば店舗内まで足を運ぶ。だが見当たらない。見つからない。一体どこにいるのだ。一体どこで何をしているのだ。一件一件巡りながらも溜息をつく回数は増すばかりだ。親父の家は次第に遠ざかる。見当がつかない。最後に残されたのは親父が今が今まで手塩にかけた会社だ。一代で築き上げた町工場。そして2階建ての事務所。いくら歳をとったとはいえ今だ采配を振るい、生きている限りは眼の球が黒いうちは決して会社から身を引くことなど考えた事がないであろうその親父の会社しか残されていない。あいつは会社へと近づく。会社事務所の駐車場には昨日同様親父の車はない。シャッターも鍵は掛かっている。構わずあいつはシャッターを開けると2階へと階段を駆けのぼる。扉のドアノブを握る。冷たい上回らない。やはり鍵は掛けられたままだ。扉を開ける。中へと体を入れる。誰の存在もあるはずもなく静けさと寂しさが漂っているだけだ。夜明けの薄明かりが窓のブラインド越しに事務所室内をほんのりと照らす。重い足取りで自分のデスクへ向かう。椅子に一気に自分の体重をのしかける。座り込む。大きな息を一つする。天井を見上げる。両手を静かに真っ直ぐ天に静かにゆっくりと差し出す。あいつは大きな呻き声を発する。そして力任せに両手を握りしめる。思い切りそのまま一気にその両手の握りこぶしを下ろす。握った両手のこぶし机に向かって一気に下ろす。その大きな音は事務所内に響き渡る。あいつは嘆く。声を発する。「後は一体どこを捜せばいいんだ。」今回はあいつの大きな声が響き渡る。。。
それでは又です。
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