8月7日 最新連続コンベア式木材汚泥乾燥機「何でも乾(かわ)くん」の秘密。【固形物乾燥】。
確かに今現在は木材チップなど丸木を荒破砕、一次破砕さえすれば固形物でも乾燥できると大手を振って宣言させて頂いている。今でこそ木質であれば竹でも荒破砕のみで何ら問題なく乾燥できるとのたまってはいる。だがこの固形物乾燥は当初から何ら問題なく乾燥できた訳ではない。当初から乾燥機へ投入し乾燥され排出された訳ではない。実のところ乾燥が成功するまでには我が町工場の職人の血と汗と涙の結晶が詰まっているのであり、我らが職人の汗水垂らしそれに鼻水まで垂らした試行錯誤を繰り返した結果に過ぎないのだ。それは作っては壊し作っては壊しの繰り返しで試行錯誤の連続。もちろんすんなりとは成功せず職人ら皆が知恵を出し合い脳みそを使い手足を使い決してあきらめずに最後までやり通したからこそ今現在木質でも何でも乾燥できますと大声を張り上げることができるのだ。
事の始まりは研究員の方のご依頼に気軽に返事した事に始まる。それは福岡県森林林業技術センター殿より乾燥できるかとの問いにすんなりと二つ返事で快諾したことに始まった。「そんなの大丈夫ですよ。」と答えたのが始まりだ。技術センターさんは捜されていた。乾燥させる装置を。木材を乾燥させる装置を。林地残材の処理の問題をどうしても解決しなければならない。森林に眠り放置されている間伐材を処理せねば森林は荒廃する一方だ。日本国土も多くを占める森林が荒廃し始めている。大雨になれば土砂と一緒に多くの木材が流れ出す。土に十分な養分が与えられずその状態のまま川そしてひいては海に流れプランクトンにまで影響する。自然は繋がっているのであり一刻も早く解決せねば森林は荒廃しCO2を吸収するはずが木が枯れCO2を排出することになり地球温暖化に繋がる。間伐さえされなければついには森林は荒廃の一途を辿る。そのためにも先ずは林地残材を使わねばならない。一刻も早く先ずは林地残材を利活用し日本の国土を守らねばならない。その解決の一つの手段として林地残材、間伐材を燃料として使うのが先ずは最も簡単で有効な手段だろう。その林地残材処理を積極的に推し進めている。実際森に入り伐採からどうするかから具体的に検討している。森からの出し方。運搬のやり方。そして処理方法。全般に渡り検討している。積極的にそして具体的にその回答を出すべく日々奮闘してのだが。実は一つの壁にぶち当たっている。林地残材を運び出した後の処理に困っている。解決手段の一つとして燃料として使おうとしている。ところがだ。間伐材には多くの水分が含まれなかなか燃えない。水分が多くてボイラー燃料としてなかなか使用できないと言う事だった。水分率が多いためにその先の燃焼ができないのであればやはり乾燥させねばならない。水分率を下げ乾燥させれば木材、林地残材は燃料として使える。そのため捜していた。乾燥でできる装置を。燃料として使えるよう水分を乾燥させる装置を。その必死な形相の依頼者に対し即座に大丈夫と即座に太鼓判をつい押してしまう。一度も乾燥テストさえ行っていなかったが即座に首を大きく縦に振った訳だ。実はその依頼内容に自分自身も何とかお役に立てればとの思いがその返事に出たのかも知れない。それに乾燥させる装置には具体的に要望があった。それは乾燥機そのものに対する要望だ。その内容は火気を使用しないで乾燥できる。小型でコンパクトで構造が簡単な乾燥機。そして金額も安価な装置だと言う事だ。その内容は願ったり叶ったりでそれらは弊社の乾燥機そのものではないかと密かにほくそ笑んでいた訳だ。即座に首を縦に振ったのはご要望に対し何ら問題なく対応できると思ったのも一つの理由だ。
その後持ち込まれた。乾燥させるべき木材チップの乾燥サンプルを。乾燥テストを行うべく早々に木材チップ乾燥サンプルを持ち込まれた。さあっつ。センター殿目の前で乾燥テスト開始だ。目の前に歴然と存在する我が乾燥機について自信満々に紹介する。そりゃあ自分自身の顔つきは相好崩した満面の笑みだ。説明が終わると早速乾燥テスト開始だ。威張った態度で職人が乾燥サンプルを投入する様子を眺める。いよいよ投入される。何ら問題なく乾燥されるであろう木材チップがたった今投入された。次は出口で待つ。乾燥機の排出口で投入された木材チップを待つ。出た来た。ほら。いよいよ出て来たのだ。乾燥され出て来た木材チップを満面の笑顔で眺める。しかしだ。それからだ。急変したのが。それからだ。自分自身の顔つきそして態度。一瞬にしてその様相は一体どうしたと言うのか。その落胆した様子は隠しおおすことなどできるはずもなく顔面蒼白で今にも泣き出しそうな表情を醸し出す。その乾燥後の木材チップを手に取るとしばらく呆然と立ち尽くす。そこに今すぐにでも倒れこみたい心境で既に自分自身はそこにはいなかった。既に意識は朦朧とし息絶え絶えにただ立っているだけのもぬけの殻だったはずだ。研究員の方に声を掛けられようやく正気を取り戻す。耳に声が入りようやく自分自身でそこに立っていることに気がつく。
そこからが始まりだった。まさかこれだけ苦労するなど思いもしなかった。木材チップを乾燥さえるべく試行錯誤が始まった訳だ。最初から言われていた。決してお金は出ませんよ。と。当初はすんなりと成功すると思っていたのだから何らその言葉は耳に入ってはいない。しかし、実際改良を続けるうちにその言葉の重大さがようやく実に沁みる。いくらやってもなかなか乾燥できない。改良を重ね乾燥テストを重ねる。なかなかうまくいかない。ところが成功したところでお金は出ない。いくら頑張ったところで一銭の価値もないのだ。だがそれでも良しとしていた。お金はもらわなくても乗りかかった船だ。諦めて降りることなどできるものか。この乾燥機が森林荒廃を救う一つの手立てになればそれに越したことはないではないか。この乾燥機が何かのお役に立てればそれだけでも一心不乱に頑張った価値があると言うものだ。長きに渡る改良は続いた。交差スクリュー軸の改造の繰り返し。改造してはテストの繰り返し。何度やってもうまく行かない。詰まる。いくらやってもスパイラル羽根と羽根との間に詰まる。詰まらずに流れたと思ったら殆ど乾燥していない。一体どうすれば良いのか。一体何をどうすれば良いのか。
そしてとうとう作る。いよいよ皆が知恵を出し合いあの巨乳装置。いや供給装置。そうだ粉砕投入装置が生まれた訳だ。確かにイニシャルはHだが正真正銘のHではないことはここで書き留めておく。その巨乳いや供給投入装置の試作機を先ずは作り何度もテストを繰り返す。この投入装置は粉砕装置だ。それも決して固形物が詰まらないよう工夫がなされている。固形物は大きいままより当然ながら小さい方が中まで熱が通りやすく乾燥がされやすい。粉砕専門の高級で高価な代物ではないが乾燥されやすいようにある程度解され粉砕がなされる。この巨乳いや供給装置、粉砕投入装置が完成したことにより木材固形物の乾燥ができるようになった訳だ。投入時ある程度粉砕され乾燥機本体へ投入される。投入された木材固形物は本体内部で撹拌乾燥され排出口より出てくる。排出される頃はかなり小さくなっている。乾燥成功した際は職人ら皆驚いた顔付きだった。それは疑いの目で排出された木材チップを眺めていた。それを手に取りようやく安堵の表情に変わる。それまでの厳しい表情は一瞬のうちに消え去り柔和な表情へ変貌を遂げる。それは多分成功した嬉しさとこれで開発の苦しみから解放される喜びが混じり合ったものに違いない。但しその際自分自身が浮かべたそのだらしない笑顔は決してHではないと書き留めておくのが必要なのは書くまでもないだろう。
それでは又です。
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